春に鳴くセミ?
先日、海浜公園に仕事に入った。
良く晴れた日であった。
海は青く、強烈な日差しを受けて、波がキラキラと輝いている。
もう春というより初夏だ。
広い公園内を2tダンプを最徐行で転がす。
のんびりしている。
こういう時が造園という仕事をしていてよかったと思えるタイミングである。
と、道の脇の松の林からおかしな鳴き声がする。
キリギリスの声が野太くなったような、クツワムシがうるさくなったような……。
なんというか、セミの鳴き声に似ている。
鳥かと思ったが、それにしてはいたるところから声がするし、その割に姿が見えない。
そのあたりもセミっぽい。
「でも4月に鳴くセミなんて……」
調べたらいた。
3-6月にその声を聞くことが出来るらしい。
名前は『ハルゼミ』。
そのままやないですか。
なんとこのセミ、超偏食であり、松の林とその周辺にしか生息しないという。
それも良く晴れた日に、午前10時ごろから午後2時の間がメイン。
なるほど、どうりでその存在を今まで知らなかったはずである。
あんまり海辺に行く機会も少ないしなぁ。
しかし、春に鳴くセミもいるとは、固定観念を覆された気持ちだ。
思い込みは良くないなぁ、という話。