ささのはさらさら

読書や映画・音楽鑑賞、仕事や旅や犬や酒。

さようなら、ギャングランド

やはり東山彰良の小説はおもしろい。スピード感がすばらしい。特にギャング・チンピラ物。暴力、欲望がグルングルンと渦巻き、登場人物たちは血まみれ泥まみれになりながら、ある時はクールに、ある時は路地裏のゴミのようにみすぼらしく、その渦中を駆け抜…

『ベルウッドの光』

工藤祐次郎さんの新曲『ベルウッドの光』がとても良い。 アコースティックギターのブギ風弾き語り。 いつものようにゆるく、しかしどこか寂しくなるような美しいメロディ。 彼の音楽には郷愁が漂っている。 この『ベルウッドの光』は、旅立とうとしている者…

春に鳴くセミ?

先日、海浜公園に仕事に入った。 良く晴れた日であった。 海は青く、強烈な日差しを受けて、波がキラキラと輝いている。 もう春というより初夏だ。 広い公園内を2tダンプを最徐行で転がす。 のんびりしている。 こういう時が造園という仕事をしていてよかっ…

『ぐぎがさんとふへほさん』

『ぐぎがさんとふへほさん』 岸田衿子・作 にしむらあつこ・絵 福音館 ぐぎがさんとふへほさん (こどものとも絵本) 作者:岸田 衿子 発売日: 2009/07/10 メディア: ハードカバー タイトルからしてナンセンス。 本を開くと、やはりやはりのナンセンス。 まず、…

『クリスマス・イブ』

クリスマス・イブ 作者:マーガレット・ワイズ ブラウン 発売日: 2003/11/01 メディア: 大型本 マーガレット・ワイズ・ブラウンは、言わずと知れた絵本作家だ。 絵は描かないけど、いつだってすばらしい物語を作り上げてくれる。 この『クリスマス・イブ』は…

可愛すぎるぜ、ムーミンのドーナツ

先日薬局に行くとこんなものが販売されていました。 思わず私は歩く足を急ブレーキ。 後ろに人がいたら危なかったけど、これを見て止まらないヤツがいるってのかい。 ムーミンのドーナツ。 なにこれ、マジで可愛い。 私は、ムーミンはこの原作に忠実なデザイ…

くまちゃんとおじさん、かわをゆく

幼い頃はやはり、自分を引っ張ってくれるアニキ分に懐いてしまうものである。 私には兄がひとりいるのだが、幼い頃はむやみやたらに暴力的で実に恐ろしかった。 一応ついて回ってはいたが、正直びくびくしながら遊んでいた。 そこで私は近所に住んでいたT君…

『宇宙の話をしよう』

『宇宙の話をしよう』 宇宙。 きっと誰もが一度はあこがれたことがあるはず。 「重力がないらしいよ」 「まっくらなんだって」 「空気だってないんだよ」 「光の速さで何億年かけて進んでも、はじっこに着かないんだって」 「太陽って、地球の100倍くらい…

『騎士とドラゴン』

『騎士とドラゴン』 アメリカの絵本作家、トミー・デ・パオラによるこの作品は、絵本の愛くるしさ、楽しさを味わうためにピッタリです。 ドラゴンと闘ったことのない騎士、おなじく騎士と闘ったことのないドラゴンの物語。 ある日、とうとう騎士はドラゴンと…

『キャプテンうみへいく』

『キャプテンうみへいく』 我々はこの作品の主人公であるキャプテンの初志貫徹ぶりを見習わなければならないでしょう。 キャプテンはとにもかくにも是が非でも、船に乗って海へ行きたかったのです。 物語のはじまり、キャプテンは飛行機にも、潜水艦にも、車…

明るい夜にでかけて

エレファントカシマシの「友達がいるのさ」を思い出した。俺はまた出かけよう あいつらがいるから明日もまた出かけよう 友達がいるのさ俺はまた出かけようなんて歌詞の曲である。まあこんなに暑い小説じゃなかったけど。結局人間に疲れても、人間に救われる…

あやしい探検隊アフリカ乱入

気が付けばすっかりと秋である。 夏よさらば。また来年。とか言ってたらあっという間に一年過ぎて気づけば夏になってんだ。 それがこの世のからくりだ。まったく、困ったもんだ! 読書の秋などと言われておるわけで、母さん、今私は椎名誠の人気シリーズの一…

台風は過ぎ去った

今回の台風はどでかいものであった。 とにかく僕の住む町はびゅうびゅうと風が唸り、それは僕のねぐらになっている部屋の窓の向こうに生えているイチジクの枝をこれでもかと揺らして、窓をカシュカシュと撫でる。 僕は思わず「うーむ」と唸った。 「イチジク…

7月です

7月になりました。 夏が近づいています。 ハイロウズを聴くことにします。 夏は刹那的で、ハイロウズはなんだかとても刹那的なものを歌っていたバンドであります。 人間とは不思議なもので、刹那的なものに触れると、永遠を考えてしまうのであります。 今年…

『キリンのセラフィナ』

気付いたら二週間投稿をしていませんでした。 ううむ、やはり怠けたらいけませんね。 とにかく小さな文章でも書こうと腕を組み、ほぞを固めました。 この二週間の間に僕の住む町は梅雨に入りました。 土砂降りの日があったと思えば、もう夏になったかのよう…

『そして、ぼくの旅はつづく』

人生は旅だと、誰かがいいました。長い長い道のりですね。出会って別れてを繰り返して歩き、そうしてふとした時振り返っても、もう二度とその時間、場所には戻れない。 絶対に、二度と戻らない。 なんと切なく胸にせまる事実なのでしょうか。今の自分の日々…

『きょうのごはん』

日曜日は図書館の日になりそうです。 スマホのゲームをしたり、録りためたテレビ番組(『未来少年コナン』『ガキの使いやあらへんで』『男子ごはん』など)を観た後、車に乗り込み、好きな音楽を流しながら図書館に向かいます。 www.youtube.com 工藤裕次郎…

おたんじょうびのおくりもの

ゆきがやみました。 そんななにかがおこりそうな一文で始まるこの絵本。 山脇百合子さんの、素朴でかわいい絵の表紙が目に留まります。 www.ehonnavi.net おたんじょうびのおくりもの 作者:村山桂子 発売日: 2019/10/15 メディア: 単行本 『おたんじょうびの…

がたごと ばん たん

先日、僕の住む街でも図書館がようやく開放されました!!! 司書の方、スタッフの方、お疲れ様です。ありがとうございます! 二か月ぶりくらいの図書館だったでしょうか。 いやぁ、やっぱりいいもんですね! たくさんの見たこともないような本。 本好きの同…

カブトムシの幼虫ちゃん3

カブトムシの幼虫(トム)の様子がおかしい。 ここ2、3日ずっと、地中から出てきて潜らないのだ。 これは良くない。 というわけで検索する。 やはり同じようななやみを抱えているひとは多いらしい。 カブトムシが地中からでてくる可能性はいくつかあった。…

おおかみと七ひきのこやぎ

愛しのフェリクス・ホフマン!! おおかみと七ひきのこやぎ (世界傑作絵本シリーズ) 作者:グリム 発売日: 1967/04/01 メディア: 大型本 幼いころ、家の近くの病院にこの絵本はありました。 風邪をひくといつも連れてこられていた病院。 一時間に一回、ゴーン…

川の少年

暑くなってくるとすずしげな物語の本を読むことが多くなる。 海辺の町や村に住む少年のはなしやら、海賊のはなしやら、夜に抜け出して世界のひみつなんかをのぞきに行くようなはなし。 暑さから逃げるように、僕はその物語の中へ逃げ込むのだ。 この『川の少…

スズメバチだ!!!!

今日はおおきな神社のとなりにある家の木々の剪定を行った。 五月の心地よい風が吹く、すごしやすい日だった。働きやすい日だった。 神社のセンダンの木が風に揺れている。 むらさきの花がサワサワと鳴る。 クスノキが影を落とす。 その下で目を閉じていれば…

おやすみなさい おつきさま

ただただねむりたくなる夜があります。 なぜだかつかれてしまって、世界の終わりでも待つような気持ちになる夜が。 そのくせ、ねむっているうちになんだかいいことがありますようになんて、思ってしまう夜が。 つまるところ、憂鬱がそんなきもちにさせるので…

ジルベルトとかぜ

風が強く吹いた日でした。 びゅおーん、ぐおーん、と、風はうなりを上げて、草むしりをしている僕等のそばを通り過ぎていきました。 「うおおおおおーい! かぜくん! ねえかぜくん! もうやめて! 本当にやめて!!!」 風は僕が必死に集めた刈葉の軽い部分…

世界でいちばん高い山世界でいちばん深い海

一時期、本屋さんでアルバイトをしていたことがありました。 地元でもそれなりにおおきな本屋さんだったので、老若男女問わず、さまざまなお客さんがやってきて、書籍の需要などが知れておもしろかったです。 「わぁ、ものすごく派手なおねぇさんだ。メイク…

ムクドリちゃんかわいいちゃん

ムクドリが実にかわいい。 彼等は我々人間が草むしりに勤しんでいると、スズメ、ハト、カラスなどと飛んでくる。 とくにいっしょにいるのはスズメだ。 気づくとピョンピョン飛び回って、互いに邪魔することなく、いっしょに地面をつついている。 なかよしな…

エンソくんきしゃにのる

旅に出ましょう。知らないところへ。知ってるところへ。 僕の家は電車の線路から近く、なかなかにしずかな住宅街なので、電車の通る時間になると、ガタゴト、ガタゴトと音が聞こえて、電車が遠ざかっていくのを感じることが出来ます。 その音を聴きながら、…

カブトムシの幼虫ちゃん2

昨日、ついにカブトムシの幼虫ちゃんのために土を買ってきて入れ替えた。 なにはなくとも、一も二もなく、エニウェイ的に高さが必要なのだ、高さが。 お分かりいただけますか皆様、さなぎになるとき、なぜかこのカブトムシといういきものたちは縦になって蛹…

庭に咲いたみかんの花

日が暮れて手持ち無沙汰で缶チューハイを片手に庭に出ると、気が付くと夏みかんの木に花が咲いていた。 なぜだか朝から憂鬱で何もする気が起きず、目が覚めてもベッドから出ずにうだうだとため息の出そうなことばかり考えては夢の中に戻るのを繰り返していた…